40代、NISAでは何を買えばいい?――投資信託・インデックス・全世界株式を「難しい言葉なし」で理解する
NISAを始めようと思って証券会社の画面を開いた瞬間、
「……何を買えばいいの?」
と止まってしまう人は多いと思います。
投資信託。
インデックス。
全世界株式。
S&P500。
先進国株式。
バランス型。
信託報酬。
名前だけでもう難しい。
私も、こういう言葉が一気に並ぶと、
「投資って、やっぱり詳しい人のものなのかな」
と思ってしまいます。
でも、最初から全部理解する必要はありません。
NISAで大切なのは、
「自分が何にお金を預けているのか、だいたい説明できること」
です。
今回は、40代からNISAを始める人向けに、
投資信託とは何か。 インデックスとは何か。 全世界株式とは何か。
この3つだけを、できるだけ普通の言葉で整理します。
そして最後に、
「結局、初心者はどう考えればいい?」
までつなげます。
まず、NISAは「商品」ではない
最初にここだけ整理しておきます。
NISAは、投資商品そのものではありません。
投資で得た利益を一定の範囲で非課税にできる制度です。金融庁は、NISAを個人の長期的な資産形成を支える制度として案内しています。
イメージとしては、
NISA=税金面で優遇された「箱」
です。
その箱の中に、
投資信託。
株式。
ETF。
などを入れます。
つまり、
「NISAを買う」
のではなく、
「NISA口座の中で何を買うか」
を決めます。
ここが最初の一歩です。
投資信託って何?
投資信託をものすごく簡単に言うと、
「たくさんの人から集めたお金を、まとめていろいろな会社などに投資してくれる商品」
です。
たとえば、自分一人で、
日本の会社。
アメリカの会社。
ヨーロッパの会社。
新興国の会社。
に少しずつ投資しようと思ったら、とても大変です。
何十社、何百社もの株を自分で買う必要があります。
でも投資信託なら、
1本買うだけで、たくさんの会社へまとめて投資できるものがあります。
金融庁のつみたて投資枠では、長期・積立・分散投資に適した一定の投資信託やETFに対象商品が絞られています。
だから初心者にとっては、
「一社ずつ株を選ぶ」
よりも、
「まとまったパックを一つ買う」
感覚に近いです。
インデックスって何?
次に出てくるのが、
インデックスファンド
です。
ここでまた難しくなります。
でも、普通の言葉にすると、
「市場全体の平均点についていくことを目指す投資信託」
くらいに考えると分かりやすいです。
たとえば日本なら、
日経平均株価。
TOPIX。
アメリカなら、
S&P500。
といった「株式市場の動きを表す数字」があります。
これを**指数(インデックス)**と呼びます。
J-FLECは、インデックスファンドについて、こうしたベンチマークへの連動を目指す投資信託と説明しています。
つまり、
「どの会社がこれから大当たりする?」
を自分で当てにいくのではなく、
「市場全体が成長するなら、その流れに一緒についていこう」
という考え方です。
「平均についていくだけ」でいいの?
ここで、
「せっかく投資するなら、もっと儲かる商品を選んだほうがいいのでは?」
と思うかもしれません。
もちろん、市場平均を上回る運用を目指す商品もあります。
それがアクティブファンドです。
専門家が、
「この会社は伸びそう」
「この業界が強そう」
などと判断して投資先を選びます。
一方、インデックスファンドは、市場全体の動きについていくことを目指します。
どちらが必ず正解というわけではありません。
ただ、40代から初めて投資をする人にとって、
仕組みが比較的分かりやすい。 幅広く分散しやすい。 長期で続ける考え方と相性がいい。
という意味で、インデックスファンドは理解しやすい選択肢の一つです。
金融庁も、長期・積立・分散を資産形成の基本として案内しています。
全世界株式って何?
そしてよく目にする、
全世界株式。
これは名前のとおり、
世界中の株式へまとめて投資するタイプ
です。
一つの国だけではありません。
日本。
アメリカ。
ヨーロッパ。
新興国。
など、世界の多くの国・地域の企業にまとめて投資します。
金融庁の過去のNISA解説でも、投資先をグローバルに分散することで、世界経済の成長を取り込む考え方が示されています。
つまり全世界株式をかなり乱暴に言えば、
「どの国が一番勝つか分からないから、世界全体をまとめて持っておこう」
という考え方です。
全世界株式なら絶対安全?
ここはとても大切です。
いいえ。
全世界株式でも、株式投資です。
世界的な不況。
金融危機。
感染症。
戦争。
景気悪化。
などがあれば、大きく値下がりすることがあります。
「世界中に分散している=絶対に減らない」
ではありません。
金融庁も、投資商品には元本割れの可能性があることを前提に、長期・積立・分散によってリスクと付き合う考え方を説明しています。
だから、
生活防衛資金を全世界株式へ入れる
のは違います。
10年、15年と使う予定のないお金で考えます。
では、S&P500とは何が違う?
全世界株式と一緒によく目にするのが、
S&P500
です。
これは、アメリカを代表する約500社で構成される指数です。
つまり、
全世界株式
→世界中の会社へ広く投資
S&P500型
→主にアメリカの代表的な会社へ投資
という違いがあります。
どちらが未来に必ず勝つかは分かりません。
アメリカ経済の強さを重視するならS&P500型。
「どの国が伸びるか自分では決めたくない」と考えるなら全世界株式型。
という考え方はできます。
大切なのは、
「最近上がっているから」だけで決めないこと。
です。
10年以上持つ可能性のあるものなので、
「私は何に投資している?」
を自分なりに説明できるものを選びます。
40代初心者なら「世界を丸ごと持つ」という考え方は分かりやすい
投資を始めたばかりの人にとって、一番難しいのは、
「何が上がるかを当てること」
です。
日本?
アメリカ?
インド?
AI?
半導体?
医療?
次々と話題になります。
でも、仕事や生活をしながら毎日世界経済を追い続けるのは大変です。
だから、
「どこが勝つか分からないから、世界全体へ少しずつ投資する」
という考え方は、とてもシンプルです。
金融庁の旧つみたてNISA座談会でも、分かりやすい例として全世界株式1本という考え方が紹介されています。
ただし、これは金融庁が特定の商品を推奨しているという意味ではありません。
「世界全体へ広く分散する」という考え方の例です。
「1本だけ」で本当にいいの?
初心者ほど、
「分散しなきゃ!」
と思って、
全世界株式。
S&P500。
日経平均。
新興国。
インド。
半導体。
と、たくさん買ってしまうことがあります。
でも、中身を見ると同じ企業を何度も持っていることがあります。
たとえば全世界株式の中には、アメリカ企業も含まれます。
そこへさらにS&P500型を追加すると、
「分散しているつもりで、アメリカを増やしている」
こともあります。
だから、
商品数が多い=分散できている
ではありません。
初心者なら、まず一つの分散された投資信託から始めて、
「私はこれだけで十分?」
と考えるほうが分かりやすい場合もあります。
商品を選ぶときに見るポイントは3つでいい
投資信託の商品ページには、ものすごくたくさん情報があります。
全部読もうとすると嫌になります。
最初は3つくらいでいいと思います。
①何に投資している?
日本だけ?
アメリカ?
世界全体?
株式だけ?
債券も含む?
②どんな運用方法?
インデックス型なのか。
アクティブ型なのか。
③コストはいくら?
投資信託には、保有している間にかかる「信託報酬」などのコストがあります。
長期間持つ商品なので、小さなコスト差も積み重なります。
金融庁も、つみたて投資枠の対象商品について、長期・積立・分散に適する一定の条件を設けています。
最初はこの3つを見るだけでも、かなり違います。
株式100%が怖い人はどうする?
全世界株式もS&P500型も、基本的には株式中心です。
値動きはあります。
「30%くらい下がったら怖くて眠れない」
という人もいるでしょう。
その場合、
株式だけにしない
という考え方もあります。
株式。
債券。
など複数の資産へ投資するバランス型の投資信託もあります。
金融庁も、値動きの異なる複数資産へ分散することで、価格変動をある程度抑えながら安定的な運用を目指す考え方を紹介しています。
「一番増えそうなもの」
ではなく、
「私はどのくらい値下がりしても続けられる?」
で選ぶことも大切です。
40代は「値上がり率」だけで選ばない
40代になると、
「20代より時間が短いから、もっとリスクを取らないと」
と思うことがあります。
でも、40代には40代の事情があります。
住居。
病気。
親の介護。
車。
転職。
老後。
これから10〜20年の間に、大きなお金が必要になる可能性があります。
だから、
全部を一番値動きの大きい資産へ入れる
必要はありません。
生活防衛資金。
数年以内に使う預金。
長期投資。
を分ける。
そのうえでNISAを使います。
最初の投資信託は「自分が理解できるもの」でいい
投資の記事を読むと、
「この商品が最強!」
「これ一本でOK!」
という言葉を見かけます。
でも、私はあまり「最強」という言葉で投資を考えないほうがいいと思っています。
未来は分からないからです。
だから、
自分が理解できること。 長く持てそうなこと。 コストを確認できること。 十分に分散されていること。
を重視する。
それでいいと思います。
金融庁のつみたて投資枠には、基準を満たした対象商品の一覧があります。最初はそこから調べる方法もあります。
私なら初心者にはこう説明する
もし、
「結局、投資信託とインデックスと全世界株式って何?」
と聞かれたら、私はこう答えます。
投資信託
→みんなのお金をまとめて、いろいろなところへ投資するパック。
インデックスファンド
→市場全体の平均についていくことを目指すパック。
全世界株式型
→世界中の会社をまとめて持つパック。
これくらいです。
ここまで分かれば、証券会社の画面を見たときに、
「あ、これは世界全部」
「これはアメリカ中心」
「これは市場平均を目指すタイプ」
と少しずつ読めるようになります。
それで十分スタートできます。
投資は「分かってから全部始める」のではなく、少額で学んでもいい
投資について、
「完璧に理解してから始めよう」
と思うと、一生始められないことがあります。
税金。
為替。
金利。
株価。
世界情勢。
全部理解するのは難しいです。
だから、
生活防衛資金を別に確保したうえで、
月5,000円。
1万円。
と少額で積み立てながら、
「今月は下がった」
「今回は上がった」
と経験する。
実際に持ってみると、ニュースの見え方も少し変わります。
ただし、
理解できない商品を勢いで買う
のとは違います。
まず基本だけ理解する。
少額から試す。
分からないことが出たら調べる。
それでいいと思います。
まとめ|「何が一番儲かる?」より、「何なら長く持てる?」
NISAを始めると、
「結局どれが一番増える?」
を知りたくなります。
でも、それは未来にならないと分かりません。
だから40代からのNISAでは、
何が一番儲かるかを当てることより、何なら自分が長く持ち続けられるか
を考えます。
投資信託は、複数の投資先をまとめて持てる商品。
インデックスファンドは、市場全体の動きについていくことを目指すタイプ。
全世界株式型は、世界中の企業へ幅広く投資するタイプ。
まず、この3つが分かれば十分です。
そして、
生活防衛資金とは別のお金で。
10年以上使わない予定のお金から。
無理のない金額で。
少しずつ積み立てる。
私はそれくらいのスタートでいいと思っています。
投資は、
一攫千金を狙うものではなく、
未来の自分へ、小さくお金を送り続ける仕組み
として使うこともできます。
5,000円からでもいい。
分からないことは、少しずつ覚えればいい。
40代だから遅いのではなく、
40代の今だから、自分の暮らしを知ったうえで始められる。
暮らすお金を守って。
必要な現金を残して。
その先のお金を、ゆっくり育てる。
これからを、わたしから。