40代、毎月いくらあれば暮らせる?――数字が苦手でもできる「最低生活費」の出し方

「毎月いくらあれば暮らせる?」

そう聞かれて、すぐ答えられる人は意外と少ないかもしれません。

家賃。

食費。

光熱費。

スマートフォン。

病院。

保険。

交通費。

日用品。

考え始めると項目がどんどん増えて、

「もう分からない」

となってしまう。

特に、お金の計算が苦手だったり、家計簿が続かなかった経験があると、

「ちゃんと全部計算しなきゃ」

と思った時点で嫌になってしまうことがあります。

でも、40代からお金を組み直すとき、完璧な家計簿は必要ありません。

最初に知りたいのは、

「私が1か月、とりあえず生活を続けるためには、最低いくら必要なのか」

という数字です。

今回は、それを「最低生活費」と呼んで考えてみます。

これは、

「理想の生活費」

でも、

「世間の平均生活費」

でもありません。

自分の生活を止めないためのお金です。

「平均」ではなく、自分の数字を見る

インターネットで、

「40代の平均生活費」

「一人暮らしの平均支出」

と検索すると、いろいろな数字が出てきます。

参考にはなります。

でも、自分の生活費を決めるときには、平均よりも、

自分が実際に何にお金を使っているか

を見るほうが大切です。

たとえば同じ40代一人暮らしでも、

家賃が3万円の人。

8万円の人。

車が必要な人。

電車だけで暮らせる人。

毎月通院が必要な人。

ほとんど医療費がかからない人。

ペットと暮らしている人。

状況はまったく違います。

だから、

「平均より使いすぎ」

「平均より貯金が少ない」

と判断する前に、

まず自分専用の数字を作る。

ここから始めます。

最低生活費は「絶対必要なもの」だけで考える

最初からクレジットカードの明細を全部分類しなくて大丈夫です。

まず、

これを払えないと生活が止まる

というものだけ書きます。

たとえば、

  • 住居費
  • 食費
  • 水道光熱費
  • 通信費
  • 医療費
  • 交通費
  • 保険
  • ローンや返済
  • 日用品
  • ペットに必ず必要なお金

などです。

ここでポイントがあります。

美容院。

洋服。

趣味。

外食。

推し活。

旅行。

こうしたものを、

「全部無駄だからゼロ」

にする必要はありません。

ただ、最低生活費を計算する最初の段階では、

一度別の箱に置く

だけです。

まず「生きるためのお金」。

そのあとに「暮らしを楽しむお金」を考えます。

ステップ1 住居費を書く

まず一番大きいものから。

家賃。

住宅ローン。

管理費。

駐車場。

などです。

たとえば、

家賃 55,000円
駐車場 8,000円

なら、

住居費は63,000円。

これで終わりです。

細かく考えすぎません。

ステップ2 食費は「理想」ではなく「現実」で

食費について、

「節約すれば月2万円でいけるはず」

のように考えると、計画が壊れやすくなります。

今、だいたい月3万円使っているなら、

まず3万円で計算します。

料理が難しい日がある。

コンビニを使う。

冷凍食品を使う。

そういう生活なら、それも含めて現実の食費です。

最低生活費とは、

限界まで我慢した数字ではなく、無理をしすぎず生活を維持できる数字

にしたほうが役立ちます。

ステップ3 光熱費は少し多めに見る

電気。

ガス。

水道。

季節によって変わります。

夏や冬は高くなることがあります。

だから平均を細かく計算するより、

「だいたいこれくらい」

で十分です。

たとえば、

電気・ガス・水道 15,000円

くらい。

暑い季節や寒い季節の金額を基準に、少し多めに置いておくと安心です。

ステップ4 通信費

スマートフォン。

インターネット。

必要なら固定電話。

ここも合計します。

たとえば、

スマートフォン 5,000円
自宅インターネット 4,000円

なら9,000円。

サブスクは一度ここから外して構いません。

あとで見直します。

ステップ5 医療費は「ゼロ」にしない

毎月病院に行かない人でも、

医療費は少し入れておくのがおすすめです。

薬。

歯医者。

突然の通院。

市販薬。

などがあります。

毎月定期的に通院しているなら、その金額を書きます。

たとえば、

医療費 10,000円。

毎月使わなくても、

「医療予備費」

として置いてもいいです。

40代からは、医療費を生活費と完全に別物にしないほうが現実的です。

ステップ6 交通費

電車。

バス。

ガソリン。

駐車場。

車のローン。

仕事へ行くために絶対必要なら、最低生活費に入れます。

特に地方では、

「車は贅沢品」

ではなく、

生活するためのインフラ

ということもあります。

だから、

「車を手放せば節約できる」

だけで判断しないことも大切です。

ステップ7 保険・返済・必須の支払い

生命保険。

自動車保険。

ローン。

カード返済。

その他、毎月必ず払うものです。

ここでは、

「高いから解約」

とはまだ考えません。

まず、

毎月いくら出ているかを知る

だけです。

見直しは、そのあと。

ステップ8 日用品

洗剤。

シャンプー。

トイレットペーパー。

生理用品。

衣類の最低限の買い替え。

などです。

月5,000円でも7,000円でも構いません。

正確でなくていい。

大事なのは、

生活には細かなお金もかかる

と最初から入れておくことです。

例:最低生活費を出してみる

たとえば、こんな人がいたとします。

住居費 63,000円
食費 30,000円
光熱費 15,000円
通信費 9,000円
医療費 10,000円
交通費 10,000円
保険 10,000円
日用品 7,000円

合計すると、

154,000円

です。

つまり、この人は、

「だいたい月15万4千円あれば、生活を止めずに暮らせる」

ということになります。

ここまで分かれば、かなり大きな前進です。

「最低生活費」が分かると、生活防衛資金が決められる

前の記事で生活防衛資金について書きました。

でも、

「生活費3か月分」

と言われても、自分の生活費が分からなければ計算できません。

今の例なら、

1か月分 154,000円

3か月分なら、

約46万円。

6か月分なら、

約92万円。

という目安になります。

でも、いきなり92万円を目標にする必要はありません。

まず5万円。

次に10万円。

次に1か月分。

このように段階を作ります。

最低生活費は、

生活防衛資金の“ものさし”

になります。

「毎月必要なお金」と「毎年必要なお金」は分ける

ここでもう一つ注意したいことがあります。

車検。

固定資産税。

自動車税。

年払いの保険。

家電買い替え。

冠婚葬祭。

こうしたものは毎月払うわけではありません。

でも、必ずどこかで必要になります。

だから最低生活費とは別に、

「年に何回か来るお金」

として管理します。

たとえば、

年間12万円かかるなら、

月1万円ずつ積み立てる。

という考え方です。

毎月の生活費と、年に数回の支出を混ぜないだけでも、お金の見え方がかなり変わります。

「楽しむお金」もゼロにはしない

最低生活費を出すと、

「じゃあ、それ以外全部無駄なの?」

と感じるかもしれません。

違います。

趣味。

カフェ。

本。

漫画。

推し活。

旅行。

洋服。

こういうものも、人生には大切です。

ただ、

生きるお金と楽しむお金を分けておく

というだけです。

たとえば、

最低生活費15万円。

楽しむお金2万円。

将来に回すお金1万円。

という形でもいい。

「何に使ったか分からない」状態から、

自分で使う場所を決める

状態に変えることが目的です。

数字が苦手なら「3つの数字」だけ覚える

もしこの記事を読んで、

「結局たくさん数字が出てきて無理」

と思ったら、3つだけで構いません。

①毎月の手取り

②最低生活費

③今ある貯金

この3つです。

たとえば、

手取り17万円。

最低生活費15万円。

貯金20万円。

なら、

毎月残るのは約2万円。

貯金は最低生活費の約1.3か月分。

ということが分かります。

これだけでも、

「私のお金、なんとなく不安」

から、

「今は生活費1か月分くらいの備えがある。まず3か月分を目指そう」

に変わります。

赤字だったら「ダメ」ではなく、対策ポイントが見つかっただけ

計算してみたら、

手取り15万円。

最低生活費16万円。

だった。

そんな場合もあります。

だからといって、

「家計管理ができていない」

と責める必要はありません。

分かったことは、

毎月1万円足りない

ということです。

これは対策できます。

固定費を減らす。

保険を確認する。

通信費を見直す。

公的制度を調べる。

収入を少し増やす方法を考える。

働き方を見直す。

いくつか選択肢があります。

「なんとなくお金がなくなる」

より、

「毎月1万円足りない」

のほうが、ずっと解決しやすい問題です。

最低生活費は半年に一度くらい見直す

生活費は変わります。

電気代が上がる。

家賃が変わる。

車を買い替える。

病院が増える。

保険を見直す。

だから一度計算したら終わりではありません。

半年に一度くらい、

「今もこの金額?」

と見直せば十分です。

毎日管理する必要はありません。

お金の管理は、

続くくらい簡単にしておくほうがいい。

私はそう思います。

今日やるなら、8項目を書くだけ

ここまで読んで、

「今日はもう計算したくない」

と思ったら、それでも大丈夫です。

今日するのは、

スマートフォンのメモに、

「私の最低生活費」

と書く。

その下に、

住居
食費
光熱費
通信費
医療費
交通費
保険・返済
日用品

この8項目だけ作る。

金額は明日でもいい。

それだけでスタートしています。

まとめ|最低生活費は「自分を縛る数字」ではなく「自分を守る数字」

最低生活費を計算する目的は、

「もっと節約しなきゃ」

と自分を追い込むことではありません。

自分はいくらあれば暮らせるのかを知ること。

それが分かれば、

生活防衛資金はいくら必要か。

仕事で最低いくら稼ぎたいか。

もし収入が減ったら何か月持つか。

老後にどのくらい必要か。

いろいろなことを考えやすくなります。

40代からのお金の立て直しは、

難しい金融知識から始めなくてもいい。

まず、

「私は毎月、いくらあれば暮らせる?」

から。

数字が苦手でも、1円単位で計算しなくていい。

だいたいでいい。

現在地が分かれば、次に進めます。

昨日より一つ、自分の生活が分かった。

それだけでも十分です。

これからを、わたしから。