40代、NISAが暴落したらどうする?――怖くなって売る前に知っておきたいこと
NISAを始めてしばらくすると、誰でも一度は考えると思います。
「もし大きく下がったらどうしよう」
「せっかく貯めたお金が減ったら怖い」
「マイナスになったら、すぐ売ったほうがいい?」
投資を始める前は、
「長期投資だから大丈夫」
と思えていても、実際に自分のお金が減ると話は別です。
10万円が9万円になる。
50万円が40万円になる。
100万円が80万円になる。
数字が赤くなっている画面を見ると、不安になるのは自然なことです。
でも、暴落したときに一番大切なのは、
怖くなった瞬間に大きな判断をしないこと。
です。
今回は、40代からNISAを始めた人が、相場が大きく下がったときにどう考えればいいのかを、金融庁やJ-FLECの一次資料をもとに、できるだけ普通の言葉で整理します。
- まず知っておきたい。「下がること」は失敗ではない
- 「暴落」と聞くと、ずっと下がり続けるように感じる
- 暴落時に「売らないほうがいい」と言われる理由
- 積立中なら、値下がり時には安く買えている
- でも「何があっても絶対売るな」ではない
- 暴落時にまず確認する3つのこと
- 40代は「時間がない」からこそ、焦らない
- 値下がりが怖すぎるなら「投資額が大きすぎる」サインかもしれない
- 「暴落したら追加投資」は無理にしなくていい
- ニュースを見すぎないのも立派な対策
- 過去のデータは安心材料にはなる。でも保証ではない
- 暴落前に作っておきたい「自分ルール」
- 40代から投資する人に、私はこう考えてほしい
- まとめ|暴落したときに守るべきものは「株価」ではなく「生活」
まず知っておきたい。「下がること」は失敗ではない
投資信託や株式は、預金とは違います。
値上がりすることもあれば、値下がりすることもあります。
金融庁も、投資には価格変動などのリスクがあり、元本割れのおそれがあることを前提に説明しています。
つまり、
「値下がりした=NISAを失敗した」
ではありません。
値下がりも含めて投資です。
むしろ、投資を始めた時点で、
「途中で資産額が大きく減る時期もある」
と考えておいたほうが、実際に起きたとき慌てにくくなります。
「暴落」と聞くと、ずっと下がり続けるように感じる
人は、お金が増えた喜びより、減った痛みのほうを強く感じやすいと言われます。
だから、
「20万円増えた!」
より、
「20万円減った!」
のほうが心に残りやすい。
しかもニュースでは、
「株価急落」
「世界同時株安」
「○兆円消失」
といった強い言葉が並びます。
すると、
「このまま全部なくなるのでは?」
という気持ちになります。
でも、株式市場は上がる時期と下がる時期を繰り返してきました。
J-FLECも、資産運用には価格変動リスクがあり、長期的な視点で投資することの重要性を説明しています。
重要なのは、
今日の価格だけで、10年後まで決めつけないこと。
です。
暴落時に「売らないほうがいい」と言われる理由
投資の記事では、
「暴落しても売るな」
と言われることがあります。
でも、理由を知らずに我慢するのは不安です。
理由はシンプルです。
相場が下がったところで売ると、
損失をその時点で確定することになるから。
です。
たとえば100万円投資して、80万円に下がったとします。
そこで全部売れば、
20万円の損失が確定します。
一方、売らずに持っていれば、その後価格が回復する可能性もあります。
もちろん、
必ず回復するという保証はありません。
ここは大切です。
ただ、長期・積立・分散投資では、短期的な値動きだけで売買を繰り返すより、長い期間で考えることが基本とされています。金融庁も、長期・積立・分散を活用することで投資リスクをできるだけ抑えながら安定的な資産形成を目指す考え方を示しています。
積立中なら、値下がり時には安く買えている
積立投資には、少し面白い特徴があります。
毎月1万円ずつ投資するとします。
価格が高いときは、買える口数が少ない。
価格が下がると、同じ1万円でより多く買えます。
つまり暴落時にも積立を続けていれば、
安い価格で多く買っている
ことになります。
金融庁やJ-FLECも、一定額を継続して積み立てることで購入時期を分散する考え方を紹介しています。
だから、
「下がったから積立を止める」
ことが、必ずしも合理的とは限りません。
むしろ、
生活に無理のない積立額なら、
いつも通り続ける
という選択もあります。
でも「何があっても絶対売るな」ではない
ここは誠実に書いておきたいところです。
長期投資だからといって、
どんな状況でも絶対に売ってはいけない
わけではありません。
たとえば、
生活防衛資金がなくなった。
失業して生活費が必要になった。
大きな医療費が必要になった。
投資している商品の内容を理解せず買っていた。
自分のリスク許容度より、明らかに大きな金額を投資していた。
こういう場合には、
投資計画そのものを見直す
必要があります。
大切なのは、
「相場が下がったから怖い」
という感情だけで売るのか、
それとも、
「生活や投資目的が変わったから売る」
のか。
この2つを分けることです。
暴落時にまず確認する3つのこと
相場が大きく下がったら、私はまず3つ確認するといいと思います。
①このお金は近いうちに使う予定だった?
10年以上使わない老後資金なら、今日の値動きだけで判断しなくてもいいかもしれません。
一方、来年使う予定のお金まで投資していたなら、そもそもの資金配分を見直す必要があります。
②生活防衛資金は別に残っている?
現金の備えがあれば、相場が下がっているときに生活費のためにNISAを売らなくて済みます。
③買った理由は変わった?
全世界株式なら、
「世界の成長に長期で投資する」
S&P500なら、
「米国企業の長期成長に期待する」
といった理由があったはずです。
その理由そのものが変わったのか。
それとも、
ただ価格が下がったから怖くなったのか。
ここを分けて考えます。
40代は「時間がない」からこそ、焦らない
40代になると、
「20代より運用期間が短い」
という焦りがあります。
だから暴落すると、
「老後に間に合わない!」
と思うことがあります。
でも、そこで高値で買った商品を安値で売って、その後また上がってから買い直す。
これを繰り返すと、
怖くなって安く売り、安心してから高く買う
ことになりかねません。
J-FLECも、長期投資では短期的なトレンドに惑わされず、積立ルールを作ることが心理的な偏りを抑える助けになると説明しています。
40代だからこそ、
「暴落を予想して当てる」
より、
最初から暴落しても続けられる金額にする
ことのほうが重要です。
値下がりが怖すぎるなら「投資額が大きすぎる」サインかもしれない
相場が10%下がっただけで、
眠れない。
何度も証券口座を開く。
仕事中も値動きが気になる。
全部売りたくなる。
そんな状態なら、
投資額が自分にとって大きすぎる可能性があります。
これは、
「投資に向いていない」
という意味ではありません。
自分の心が耐えられる金額を知った
ということです。
月3万円が怖いなら、
1万円に減らす。
1万円でも怖いなら、
5,000円にする。
株式100%が怖いなら、
預金や他の資産とのバランスを考える。
投資額を減らすことは敗北ではありません。
長く続けるための調整です。
「暴落したら追加投資」は無理にしなくていい
暴落すると、
「今が買い時!」
という情報も増えます。
確かに安くなったときに追加投資すれば、その後上昇したときの恩恵を受けやすくなる可能性があります。
でも、
暴落したら追加で買わなければ損
ではありません。
まず生活防衛資金を守る。
毎月の積立を無理なく続ける。
これだけでも十分です。
余裕資金があり、自分で納得して追加投資するなら選択肢ですが、
不安なのに無理して大金を入れる必要はありません。
「暴落時には積立設定を触らない」
くらいのルールでもいいと思います。
ニュースを見すぎないのも立派な対策
暴落時には、ニュースもSNSも一気に騒がしくなります。
「終わった」
「もっと下がる」
「今すぐ逃げろ」
「絶好の買い場」
正反対の意見が大量に流れてきます。
全部読むと、どんどん不安になります。
投資期間が10年以上で、積立設定も決めているなら、
毎日価格を見る必要はありません。
月に一度。
数か月に一度。
自分の家計と積立額を確認する。
それくらいでもいいでしょう。
相場を見る時間を減らすことも、
投資を続けるための仕組み
の一つです。
過去のデータは安心材料にはなる。でも保証ではない
金融庁は過去のデータを使い、国内外の株式・債券へ積立・分散投資したケースで、投資期間が長くなるほど運用結果のばらつきが小さくなる傾向を紹介してきました。
こうしたデータを見ると、
「長く続ける意味はあるんだ」
と少し安心できます。
ただし、
過去にこうだったから未来も同じになる
という保証ではありません。
ここはとても大切です。
長期投資は、
「絶対儲かる方法」
ではなく、
短期間の値動きに振り回されにくくする考え方
として理解したほうがいいと思います。
暴落前に作っておきたい「自分ルール」
本当は、暴落してから考えるより、今のうちにルールを決めておくほうが楽です。
たとえば、
生活防衛資金には手をつけない。
NISAは10年以上使わないお金だけ。
暴落しても積立額はすぐ変えない。
怖くなったら3日間は売買しない。
半年に一度だけ投資額を見直す。
こんな簡単なもので構いません。
相場が荒れているときは感情も大きく動きます。
だから、
冷静なときの自分が、怖くなった未来の自分へルールを残しておく。
これはかなり役立ちます。
40代から投資する人に、私はこう考えてほしい
40代からNISAを始めた人の中には、
若いころ十分に貯金できなかった人もいるでしょう。
就職氷河期だった。
収入が安定しなかった。
病気になった。
仕事を辞めた。
家族を頼れなかった。
いろいろな事情があります。
だからこそ、
「今度こそ失敗したくない」
と思う気持ちも強くなると思います。
でも投資には、
値下がりしない方法はありません。
大切なのは、
値下がりしない商品を探し続けることではなく、
値下がりしても生活が壊れない仕組みを作ること。
です。
生活防衛資金。
無理のない積立額。
長期間使わないお金。
分散された商品。
そして、怖くなったときの自分ルール。
これらを作る。
それが40代からの投資では、とても大切だと思います。
まとめ|暴落したときに守るべきものは「株価」ではなく「生活」
NISAで資産が大きく下がった。
怖い。
売りたい。
それは自然な気持ちです。
でも、その瞬間に全部決めなくてもいい。
まず確認します。
このお金は、いつ使う予定だった?
生活防衛資金は別にある?
投資を始めた理由は変わった?
値下がりそのものではなく、
自分の生活や目的に変化があったか
を見る。
そして、長期・積立・分散という前提が変わっていなければ、
いつも通り積み立てる。
何もしない。
そんな選択もあります。
逆に、生活が苦しくなったなら、
投資額を減らす。
停止する。
必要なら売却する。
それも間違いではありません。
生活を守ることが一番だからです。
投資は人生の目的ではありません。
未来を少し安心できるものにするための道具です。
だから、
NISAを守るために生活を犠牲にしない。
暴落したときも、
まず自分の暮らしを守る。
そのうえで未来のお金は、できる範囲で長く育てていく。
40代からでも、それでいいと思います。
焦らず。
怖くなったら一度止まって確認する。
そして、
これからを、わたしから。