40代、固定費はどこから見直す?――生活の満足度を下げずに月5,000円を作る方法
「もう少し貯金したい」
そう思って家計を見直すと、最初に思いつくのは節約かもしれません。
コンビニをやめる。
外食を減らす。
お菓子を我慢する。
趣味を控える。
欲しいものを買わない。
もちろん、それでお金は残ります。
でも、毎日の小さな楽しみを削り続ける節約は、思っている以上に疲れます。
特に40代になると、仕事や家事だけでも十分に忙しいものです。そこへ、
「今日は150円使ってしまった」
「今月はもう何も買えない」
と毎日お金のことを考える生活を加えると、節約そのものが負担になってしまいます。
だから、前の記事で「最低生活費」を確認したら、次にやってみたいのが固定費の見直しです。
目標は、いきなり月3万円ではありません。
まず、
月5,000円。
月5,000円なら、1年間で6万円。
5年間続けば30万円です。
しかも、一度見直してしまえば、毎日我慢しなくても効果が続くものがあります。
今回は、
「生活の満足度をできるだけ下げずに、月5,000円を作る」
という視点から考えてみます。
そもそも固定費って何?
家計の支出は、大きく分けると「固定費」と「変動費」があります。
固定費とは、毎月ある程度決まって出ていくお金です。
たとえば、
- スマートフォン・インターネット
- 保険
- サブスクリプション
- 家賃
- 駐車場
- 車のローン
- 各種会費
- 定額サービス
などです。
一方、
食費。
外食。
日用品。
洋服。
趣味。
レジャー。
などは、月によって変わりやすい支出です。
もちろん厳密に分けなくても構いません。
大切なのは、
「一度見直すと、その後も効果が続きやすい支出はどれ?」
と考えることです。
なぜ「食費を削る」より先に固定費なの?
たとえば、毎月5,000円節約するとします。
食費で5,000円減らすなら、
スーパーへ行くたびに値段を確認する。
外食を我慢する。
安い食材を選ぶ。
コンビニを避ける。
といった努力を毎月続ける必要があります。
でも、使っていない月額1,000円のサービスを解約すれば、その後は何もしなくても年間1万2,000円減ります。
スマートフォン料金が月2,000円下がれば年間2万4,000円。
合わせれば年間3万6,000円です。
つまり固定費の見直しは、
「毎月頑張らなくても続く節約」
を作りやすいのです。
40代からの家計管理では、私はこの「頑張らなくても続く」を大切にしたいと思っています。
まず見るのは「使っていないもの」
いきなり、
「保険を全部見直そう」
「スマートフォン会社を変えよう」
と大きなことをする必要はありません。
最初に探すのは、
お金を払っているのに、ほとんど使っていないもの。
です。
動画配信。
音楽。
電子書籍。
オンラインストレージ。
アプリの有料プラン。
ゲーム。
フィットネス。
ファンクラブ。
通販の有料会員。
クラウドサービス。
こうしたものは、一つ一つは数百円から千数百円程度でも、複数重なると意外な金額になります。
スマートフォンのアプリストアやクレジットカードの明細を見て、
「これ、先月使った?」
と確認します。
使っているなら残す。
使っていないなら候補にする。
それだけです。
「全部解約」ではなく3つに分ける
サブスクを見直すとき、
「節約するなら全部やめなきゃ」
と考えなくても大丈夫です。
私は3つに分ける方法がおすすめです。
残す。
迷う。
やめる。
この3つです。
毎日のように使っている動画サービスなら「残す」。
数か月使っていないものなら「やめる」。
たまに使うから迷うなら「迷う」。
迷ったものまでその日に決める必要はありません。
翌月もう一度見ればいい。
節約の目的は、
好きなものをなくすことではありません。
自分にとって大切ではないところから、大切なところへお金を移すことです。
次に見るのはスマートフォンと通信費
通信費も、固定費を見直す代表的な項目です。
ただし、
「格安SIMが一番安いから変更しましょう」
と単純には考えないほうがいいと思います。
仕事で電話をよく使う。
地方や山間部へ行く。
通信障害への備えとして複数回線を持っている。
大容量通信が必要。
スマートフォンを仕事にも使う。
こうした事情があれば、通信の安定性にはお金を払う価値があります。
だから確認したいのは、
「必要なものを削れないか」ではなく「使っていないものに払っていないか」
です。
契約しているデータ容量。
通話オプション。
端末補償。
留守番電話。
追加サービス。
自宅インターネットとのセット割。
などを確認します。
月1,000円下がるだけでも、年間1万2,000円です。
十分な見直しです。
保険は「高いから解約」しない
固定費の中で大きくなりやすいのが保険です。
生命保険。
医療保険。
がん保険。
自動車保険。
さまざまなものがあります。
ここは慎重に考えます。
月1万円の保険を解約すれば、確かに年間12万円浮きます。
でも、本当に必要な保障までなくしてしまったら、病気や事故のときに困ります。
そのため、
「保険料はいくら?」
だけではなく、
「何に備えている?」
「いくら受け取れる?」
「同じような保障が重複していない?」
を確認します。
また、日本には公的医療保険があり、医療費の自己負担が一定額を超えた場合に利用できる高額療養費制度などがあります。
民間保険を考えるときには、こうした公的保障でどこまでカバーされるのかを確認してから、不足する部分を考えるという順番が大切です。
保険については制度改正もあるため、厚生労働省や加入している健康保険などの最新情報を確認して判断します。
車は「持つ・手放す」の二択にしない
車にかかるお金も大きいものです。
ローン。
任意保険。
駐車場。
ガソリン。
車検。
税金。
整備。
タイヤ。
こうして並べると、
「車を手放せばいい」
となりがちです。
でも、住んでいる場所によっては車がなければ仕事や通院、買い物そのものが難しくなります。
だから、
必要な車なら残す。
そのうえで、
保険の条件。
不要な特約。
駐車場。
ローン終了時期。
車検や税金の積立。
次回買い替える車の価格帯。
などを考えます。
40代からの家計では、
金額だけでなく「その支出が生活を支えているか」
を見ることが大切です。
月5,000円は「1か所」で作らなくていい
ここが今回、一番伝えたいところです。
月5,000円減らそうと思ったとき、
「5,000円の何かを一つ削らなきゃ」
と考える必要はありません。
たとえば、
使っていないサブスク 1,000円
通信プラン見直し 1,500円
保険の重複を確認 1,500円
使っていない会員サービス 1,000円
これで月5,000円です。
年間なら、
6万円。
しかも、
「毎週外食を我慢する」
必要はありません。
こういう小さな固定費をいくつか見つけるほうが、生活への影響を抑えやすくなります。
浮いた5,000円は「余ったお金」にしない
固定費を5,000円減らせた。
ここで終わると、その5,000円は意外と消えてしまいます。
だから、
行き先を先に決めます。
前の記事で作った「3つのお金の箱」を使います。
暮らすお金。
守るお金。
未来のお金。
まだ生活防衛資金が十分でなければ、
月5,000円を**「守るお金」**へ。
自動積立にしてもいいでしょう。
すると、
1か月 5,000円。
半年 3万円。
1年 6万円。
2年 12万円。
になります。
「月5,000円しか貯められない」
ではありません。
毎日の生活をほとんど変えず、2年後の自分に12万円の安全網を渡せる。
そう考えると、意味が変わってきます。
それでも赤字なら「節約だけの問題」にしない
固定費を見直しても、
毎月赤字。
家賃を払うのが厳しい。
借金返済が苦しい。
税金や公共料金を滞納している。
という場合もあります。
そんなとき、
「もっと節約しなければ」
だけで解決しようとしないことも大切です。
収入に対して必要な支出そのものが大きければ、節約だけでは限界があります。
厚生労働省の生活困窮者自立支援制度には、家計の状況を「見える化」し、家計改善に向けた支援を行う仕組みがあります。
必要に応じて、仕事や住まいなど別の支援につなぐことも想定されています。
つまり、
家計の問題を「本人の節約不足」だけで考えない制度がある
ということです。
生活そのものが苦しくなっているなら、相談することも家計改善の一つです。
固定費を見直すときの順番
いろいろ出てきましたが、全部一度にやる必要はありません。
最初はこの順番くらいで十分です。
- 使っていないサブスク・会員サービス
- スマートフォン・通信費
- 保険の内容と重複
- 車関連費
- その他の定額サービス
そして最後に、
「これを減らしたら生活はどれくらい困る?」
と考えます。
ほとんど困らないなら、見直し候補。
かなり困るなら残す。
それでいいと思います。
「月5,000円」のために削らなくていいものもある
節約の記事だからこそ、これも書いておきたいと思います。
自分の心身を保つために必要なもの。
通院。
薬。
必要な冷暖房。
仕事を続けるための交通手段。
必要な通信環境。
生活を支えている福祉サービス。
そして、小さな楽しみ。
こうしたものまで、
「節約だから」
と機械的に削る必要はありません。
もちろん家計が非常に厳しい場合には見直しが必要になることもあります。
でも、
生活を維持するために必要な支出まで削って、体調や仕事を崩してしまえば、結果的に家計がさらに苦しくなることもあります。
固定費削減の目的は、
生活を小さくすることではありません。
自分にとって価値の低い支出を減らして、必要なものを守ること。
です。
今日やることは「定額で払っているもの」を見るだけ
今日、全部見直さなくても大丈夫です。
スマートフォンのメモに、
「毎月自動で払っているもの」
と書いてみます。
そして、
スマホ。
ネット。
保険。
動画。
音楽。
アプリ。
会費。
クラウド。
その他。
思いつくものを書きます。
その横に、
○=残す △=迷う ×=使っていない
をつけます。
今日はそれだけ。
×が一つ見つかったら、かなり大きな一歩です。
まとめ|節約は「我慢」ではなく「お金の置き場所を変えること」
40代からお金を立て直そうとすると、
「もっと我慢しなきゃ」
と思ってしまうことがあります。
でも、毎日100円、200円を気にして疲れてしまうより、
一度固定費を見直して、その効果が続く仕組みを作る。
そのほうが続けやすい人もいます。
まず、
使っていないものを探す。
次に、通信費。
保険。
車。
定額サービス。
そして、
月5,000円を目標にする。
一つで5,000円作らなくてもいい。
500円。
1,000円。
1,500円。
小さく集めればいいのです。
そして浮いたお金は、
なんとなく余らせるのではなく、
生活防衛資金へ移す。
月5,000円なら年間6万円。
小さく見えるかもしれません。
でも、それは、
病気になったとき。
仕事を休んだとき。
急な出費があったとき。
未来の自分を助けてくれる6万円です。
40代からのお金の立て直しは、
今の自分から楽しみを奪って、未来のためだけに我慢することではありません。
今の暮らしも守りながら、未来の自分が困る可能性を少しずつ減らしていく。
そのための固定費見直しです。
月5,000円からでいい。
全部変えなくていい。
自分に必要なものは残していい。
「何を削るか」ではなく、「何を守るためにお金を使うか」。
そこから家計を組み直していきます。
これからを、わたしから。