障害年金を自分で申請する?社労士に頼む?――40代、費用をかける前に知っておきたい判断基準

障害年金について調べて、

初診日も少し分かってきた。

診断書について医師に相談する準備もした。

病歴・就労状況等申立書も、少しずつ整理している。

すると次に出てくる疑問があります。

「これ、自分で申請できるの?」

インターネットで検索すると、

「障害年金専門社労士」

という言葉もたくさん出てきます。

一方で、

「自分で申請しました」

という人もいます。

すると、

「社労士に頼まないと不利なの?」

「何万円も払う必要がある?」

「自分でできるなら、そのお金は残しておきたい」

と迷います。

特に、病気で収入が減っている人にとって、専門家へ支払う費用は小さくありません。

だから今回は、

最初から「頼む・頼まない」を決めない

ところから始めます。

先に結論を書くと、

障害年金は自分でも請求できます。

日本年金機構は、障害年金について全国の年金事務所や街角の年金相談センターで相談・手続きを受け付けています。予約相談も利用できます。

一方、社会保険労務士は、公的年金について相談を受けたり、年金請求書などの作成・提出を支援したりできる専門家です。

つまり、

自分で申請する道もある。専門家と進める道もある。

どちらが正しいというより、

今の自分にどちらが必要か

を考えればいいのです。

まず知っておきたい。「社労士に頼まないと申請できない」は違う

障害年金は、社会保険労務士を通さなければ申請できない制度ではありません。

日本年金機構には、障害年金を請求する人向けの手続き案内があり、請求書は年金事務所や街角の年金相談センターなどへ提出できます。障害厚生年金については電子申請にも対応しています。

年金事務所では、

必要な書類。

初診日。

診断書の種類。

障害認定日。

保険料納付要件。

などについて確認できます。

だから、

最初の相談は無料で公的窓口へ

という始め方で構いません。

これはかなり大事です。

病気でお金が心配なときに、

まだ自分のケースすら整理できていない状態で、

いきなり有料契約を急ぐ必要はありません。

年金事務所でどこまで相談できる?

日本年金機構は、障害年金を含む年金の相談や手続きを、全国の年金事務所・街角の年金相談センターで受け付けています。やむを得ない事情で電話や来訪が難しい場合には、文書やFAXによる相談も案内しています。

街角の年金相談センターでも、年金の請求に関する相談や手続きができます。しかも相談・手続きは無料です。

だから、

「まず何を集める?」

「初診日の病院がなくなっています」

「診断書はどの様式?」

「私の場合、障害基礎年金?障害厚生年金?」

という入口部分は、まず公的窓口で確認できます。

では、社労士は何をしてくれるの?

社会保険労務士は、労働・社会保険や公的年金を扱う国家資格者です。

全国社会保険労務士会連合会は、社労士が年金制度についての相談、加入期間・受給資格期間等の確認、年金請求書などの作成・提出を支援できると案内しています。

障害年金に詳しい社労士であれば、

初診日の整理。

病歴の整理。

必要資料の確認。

病歴・就労状況等申立書の作成支援。

診断書を依頼するときに伝える情報の整理。

年金事務所との手続き。

などをサポートすることがあります。

普通の言葉にすると、

「自分一人では制度と書類をつなげにくい部分を、一緒に整理する専門家」

です。

社労士に頼めば「通りやすくなる」の?

ここは慎重に考えたいところです。

障害年金の認定を行うのは、依頼した社労士ではありません。

だから、

「この社労士に頼めば絶対受給できます」

という保証はできません。

障害年金には、

初診日。

保険料納付。

障害状態。

診断書。

その他の資料。

など制度上の要件があります。

社労士の役割は、対象でない人を対象に変える魔法ではありません。

一方で、

本人の経過を整理する。

必要な証拠を確認する。

書類間の事実関係を整理する。

申請漏れを減らす。

という支援には意味があります。

特に手続きが複雑なケースでは、

申請できる状態まで情報を整理する負担を減らせる

というメリットがあります。

自分で申請しやすいのは、どんな人?

たとえば、

初診日がはっきりしている。

最初の病院のカルテが残っている。

転院が少ない。

現在の主治医が障害年金の診断書作成に慣れている。

病歴が比較的短い。

自分で書類を読んで整理できる。

年金事務所へ何度か相談できる。

という場合。

自分で進められる可能性は十分あります。

特に、

「費用をできるだけかけたくない」

という人なら、

まず年金事務所の無料相談を使ってみる価値があります。

そして、

「思ったよりできそう」

なら、そのまま自分で進める。

それでいいのです。

社労士へ相談したほうが楽になりやすいケース

反対に、

初診日が10年、20年前。

最初の病院が閉院。

カルテがない。

転院が多い。

病名が途中で変わった。

複数の傷病がある。

長い病歴を文章にするのが難しい。

書類を見るだけで体調が悪くなる。

診察で生活状況をうまく説明できない。

一人では年金事務所とのやり取りが難しい。

という人。

こうした場合には、障害年金を扱っている社労士へ相談すると、負担を減らせる可能性があります。

特に障害年金は、

制度の難しさだけでなく、「病気の本人が申請作業をしなければならない」という難しさ

があります。

ここは大きいと思います。

「できるかどうか」ではなく「やったらどれくらい消耗するか」で考える

これは「わたしから。」で大切にしたい考え方です。

たとえば書類作成。

時間をかければ自分でもできる。

でも、

毎日それだけで疲れてしまう。

眠れなくなる。

病気の過去を思い出して体調が悪化する。

仕事との両立ができなくなる。

なら、

「自分でできるから自分でやる」が本当に一番いい方法とは限りません。

専門家へ支払う費用は、

単に「書類を書いてもらう代金」ではなく、

自分の体力や時間を守るためのお金

と考えることもできます。

逆に、

比較的状態が安定している。

書類を読むことも苦ではない。

年金事務所へ相談できる。

なら、

自分で進めて専門家費用を残す。

それも合理的です。

費用は必ず契約前に確認する

社労士へ依頼する場合、ここは重要です。

民間の社労士事務所への依頼は、年金事務所や街角の年金相談センターとは違い、通常は有料です。

報酬体系は事務所ごとに異なります。

相談料。

着手金。

成功報酬。

診断書などの実費。

交通費。

更新や不服申立てが別料金か。

などを確認します。

特に、

「受給できた場合の報酬が何を基準に計算されるのか」

は契約前に具体的な金額例で聞いたほうが分かりやすいでしょう。

なお、全国社会保険労務士会連合会が運営に関わる「街角の年金相談センター」は無料ですが、これは個別の民間社労士事務所へ業務を依頼することとは別です。

ここを混同しないようにします。

「成功報酬だからタダ」ではない

「着手金0円」

と書かれていると、

費用がかからないように感じます。

でも、

受給決定後に報酬を支払う契約かもしれません。

だから、

着手金。

成功報酬。

最低報酬。

遡及分に対する報酬。

消費税。

実費。

すべて込みで、

最終的に最大いくらくらいになる可能性がある?

と確認します。

お金に余裕が少ない人ほど、

契約内容を分からないままサインしないことが大切です。

「無料相談」では何を聞けばいい?

社労士事務所によっては、初回相談を無料にしているところがあります。

その場合でも、

「受給できますか?」

だけで終わらせず、

次のようなことを確認すると比較しやすくなります。

私のケースで一番難しそうなのはどこですか?

自分で申請する場合との違いは何ですか?

どこまで代行してもらえますか?

診断書の内容について、どのように支援しますか?

費用総額は最大どのくらいですか?

不支給になった場合の費用は?

途中で解約したらどうなりますか?

これを聞きます。

「絶対通ります」という言葉には慎重になる

障害年金は審査のある制度です。

だから、

「絶対2級です」

「100%受給できます」

など、結果を断定する説明には慎重になったほうがいいでしょう。

信頼できる専門家なら、

「この点は強いですが、ここは確認が必要です」

「最終判断は日本年金機構です」

と、分からない部分も説明してくれるはずです。

不確実なところを不確実だと言ってくれるか。

専門家を選ぶときには、この感覚も大切です。

医師との関係を壊すような進め方は避けたい

障害年金で最も重要な資料の一つが診断書です。

でも診断書を書くのは社労士ではなく、医師です。

だから、

「先生にこの通り書かせてください」

という進め方ではありません。

前の記事でも書いたように、

本人の実際の生活状況を整理して医師へ伝える。

医師が医学的判断に基づいて診断書を作成する。

そこが基本です。

社労士へ依頼する場合も、

医師へ嘘や誇張を書かせるような助言をする人ではないか

は重要です。

制度を通すことより、

事実を正確につなぐことを優先したいと思います。

「一人でできない=能力がない」ではない

障害年金の申請では、

初診日の確認。

病院への連絡。

診断書。

年金記録。

病歴申立書。

提出。

と、多くの作業があります。

病気や障害によって、

電話。

数字。

文章。

予定管理。

対人コミュニケーション。

が難しくなっている人もいます。

そんな人が、

「自分で全部できないなんて情けない」

と思う必要はありません。

むしろ、

支援が必要な人が、支援を受ける制度を申請するために複雑な手続きをしなければならない

という構造自体が大変なのです。

だから、

年金事務所。

支援者。

家族。

社労士。

使える人を使います。

年金事務所へ代理人に行ってもらう方法もある

日本年金機構では、年金相談や手続きを代理人へ委任することもできます。

その場合、本人が作成した委任状が必要です。

つまり、

必ず本人一人で窓口へ行かなければならないわけではありません。

「手続きは自分で進めたい。でも窓口へ行くのが難しい」

という人なら、

代理人の利用が可能か相談してみてもいいでしょう。

自分で申請するなら「一人で申請」ではなく「無料支援を使いながら申請」

ここは言葉を変えたいところです。

自分で申請する

というと、

全部一人で調べる。

一人で書く。

一人で決める。

ように聞こえます。

でも、そうではありません。

年金事務所へ何度も相談する。

主治医に聞く。

支援者に年表を一緒に作ってもらう。

家族に昔の受診歴を聞く。

そして自分名義で申請する。

これも、

自分で申請した

です。

「専門家を雇わない」と「誰にも助けてもらわない」は違います。

迷うなら「最初の1回は年金事務所」でいい

私は、特に費用が心配な人なら、

まず、

年金事務所や街角の年金相談センターで一度相談

してみる方法が分かりやすいと思います。

日本年金機構は障害年金の相談や手続きを全国の年金事務所等で受け付け、予約相談も実施しています。

そこで、

初診日。

必要書類。

自分の病歴。

を確認する。

そして、

「これなら自分でも進められそう」

なら自分で。

「初診日が複雑すぎる」

「書類が多くて自分には難しい」

となったら社労士を検討する。

この順番なら、

自分のケースの難しさを知ってからお金を使えます。

こんなふうに判断すると分かりやすい

自分でやるか迷ったら、簡単に点検します。

初診日ははっきりしている?

はい → 自分で進めやすい。

いいえ → 専門家相談も検討。

病院は1~2か所程度?

はい → 比較的整理しやすい。

多い → 支援があると楽かもしれない。

病歴申立書を自分で整理できそう?

はい → 自分+年金事務所。

難しい → 支援者・社労士を検討。

電話・書類・窓口対応が体調的にできる?

はい → 自分でも可能。

難しい → 代理や専門家を使う意味が大きい。

専門家費用を払っても生活防衛資金は残る?

いいえ → まず無料相談を最大限使う。

こう考えます。

今日使える「自分で申請?社労士?」判断メモ

そのままコピーできます。【障害年金 申請方法チェック】 ■ 初診日 □ はっきりしている □ だいたい分かる □ かなり複雑 □ 最初の病院が閉院・カルテなし ■ 病歴 通院した病院:    か所くらい 病歴:    年くらい 自分で年表を作れそう: はい・少し助けが必要・難しい ■ 書類 文章を書く: できる・疲れる・かなり難しい 数字や日付の整理: できる・苦手・難しい 電話: できる・苦手・難しい 年金事務所へ行く: できる・付き添いが必要・難しい ■ 支援 一緒に整理してくれる人: いる・いない 年金事務所へ相談: 済・まだ ■ 社労士を検討する理由 □ 初診日が複雑 □ 病歴が長い □ 転院が多い □ 書類作成が体調的につらい □ 自分一人では手続きが止まりそう □ その他: ■ 費用確認 相談料: 着手金: 成功報酬: その他費用: 最大でいくらになりそう: ■ 今の結論 □ まず年金事務所へ相談する □ 自分で進めてみる □ 社労士にも相談して比較する 次にする一つ:

全部埋めなくても構いません。

最後の、

「次にする一つ」

だけ決めます。

お金がないから、障害年金申請まで諦めない

長期療養。

収入減少。

医療費。

そんな状態で、

さらに専門家費用。

となれば、ためらいます。

だからこそ、

無料で使えるものを先に使う。

年金事務所。

街角の年金相談センター。

支援者。

そして必要な部分だけ専門家。

という使い方でいいと思います。

街角の年金相談センターでは、年金相談から請求書の受け付けまで無料で利用できます。

資産形成の記事でも同じでした。

お金に余裕が少ない人ほど、

「全部有料サービスで解決」

ではなく、

公的サービスと専門家を使い分ける

ことが大切です。

まとめ|大切なのは「誰が申請したか」ではなく、制度につながれること

障害年金を、

自分で申請する。

社労士に頼む。

どちらでも構いません。

日本年金機構では障害年金の相談・手続きを年金事務所などで受け付けていますし、社労士は公的年金の相談や請求書類の作成・提出を支援できる専門家です。

大切なのは、

「自分でやったほうが偉い」

でも、

「専門家に頼めば安心」

でもありません。

自分の体調・病歴・お金に合った方法で、申請を止めずに進めること。

初診日が分かる。

病歴も整理できる。

窓口にも行ける。

なら、

まず自分でやってみてもいい。

でも、

20年前の初診日。

病院が何か所もある。

過去を整理するだけで体調が悪くなる。

書類や電話が難しい。

なら、

誰かの力を借りてもいい。

障害年金は、

一人で書類を完成させられる能力を競う制度ではありません。

病気や障害によって生活が難しくなったときに、暮らしを支えるための公的制度です。

だから申請そのものでも、

無理をしない。

無料相談を使う。

支援者を使う。

必要なら専門家を使う。

お金を払う前には費用を確認する。

そして、

「絶対に受給できます」という言葉だけで決めない。

自分に必要な助けを、

必要なだけ借りる。

それで十分です。

これからを、わたしから。